「坂の上の雲」から平成を読む-『武士道』と『国体の本義』からの視点

はじめに:NHKの「坂の上の雲」の見方
1.小さな国が大きな国に勝った物語としての視点:白色人種の植民地化を阻止した黄色人種の物語としての視点
2.明治維新で逆賊とされた反明治政府派の貧乏な小さな田舎町の若者が夢を叶えた視点

3.『坂の上の雲』の問題点
(1)司馬遼太郎の史観―明治史を賛美、昭和史を非難
「坂の上の雲」を登った→西欧の帝国主義国と同列に並んだ→西欧との覇権争は必然となる
(2)司馬遼太郎が書かなかった歴史
@秋山真之のアジア主義者(北進論者)の視点、孫文の支援と清朝の軍艦乗っ取り事件
A秋山真之の大アジア(パン・イスラム)主義者の視点、大本教の出口王仁三郎との接触B対米戦(石原完爾的対米戦論者の視点 ・南洋群島の占領 ・第二艦隊の地中海派遣
4.NHKの歴史偏向を見破る歴史的知識の必要性
 秋山の愛国心を人命の尊さに置換
「一身一家一郷を愛する者は悟道足りず、世界宇宙を愛する者は悟道過ぎたり。軍人は腔の愛情を君国に捧げるべきである」(秋山勤務録「天剣漫録」)

第1部 「武士道」から『坂の上の雲』を見る視点
T.「坂の上の雲」の時代と現在の日本
日清・日露戦争直前と1940-41年の危機に類似
1.日本の地政学的制約(不変)
(1)資源小国 通商国家の宿命⇒世界の平和
(2)北方に強国(ロシアと中国)⇒異質(腹黒大国)
(3)不安定な朝鮮半島(架け橋)→文化も脅威も伝来
強者に靡く事大主義の小中華帝国(劣等感の跳ね返し)

2.ポピュリズムとジャーナリズム(不変)
(1)明治期:日露戦争後の日比谷焼き討ち事件
  ポーツマス講和反対(無賠償・領土(樺太半分)への不満←米国の反発→外交の失敗か、
  米国の執念か(外交も勝利外交とされ無反省)
    アジ新聞「朝日新聞」 抑制した新聞「国民新聞」←焼き討ち
(2)昭和期:近衛文麿・松岡洋右→ポピュリズム「狂態の舞」
アジ新聞「朝日新聞」 抑制した新聞なし
(2)平成期:安倍・麻生内閣打倒と「チェンジ」のポピュリズム
(3)マスメディアの「狂態の踊り」米内内閣総辞職後の米内光政の手紙(荒城次郎宛)

「魔性の歴史は人に狂態の踊りを踊らせ、人にそその踊りこそ目的を達成することのできる見事にして荘重なものと思いこませる。しかし、荒れ狂う海が平穏におさまる時のように、狂乱の場面から静かに醒めてくると、どんな者共でも、ハテ、コンテ積もりではなかったと驚異の目をみはるようになってくるだろう」

3.国家指導者・国民の劣化(大変化)(第2部参照)
4.国家の安全保障と同盟政策

(1)自主独立の安全保障→自存自衛(長期の保護的同盟は自尊心を喪失させる)
(2)同盟の選択と国家の盛衰(日英同盟の選択と日露戦争)
・日本の同盟1900年から2000年の100年間:日本が同盟国を持たなかったのは19年間だけ
(日英20年、日米65年の平和)
@同盟はパワーバランスで締結され、同盟の目的は国益→軍事力
英国の利益→日本の海軍力とドライドックと三池の石炭
A英国首相パーマストンの言葉 「英国には永遠の友もなければ、永遠の敵もない。
あるのは国益だけである」。
B外交とは:Diplomacy is to do and say the neatest thing in the nicest way
(最も汚いことを最も上手にいうこと)『ライトハウス英英辞典』の例文
・ルーズベルト大統領:右手に大きなステッキを持ち静かに話す
・日本の総理:「友愛外交」「相手が嫌うことは言わない」≒「八方美人の乙女外交」
(3)歴史から見た同盟国選定の要件→海洋国
@海洋国との同盟:日英同盟・日米安全保障条約→平和と繁栄
A大陸国との同盟:日華軍事相互防敵協定・第4次日露協商・日独伊三国同盟→衰頽
(4)私の掲げる同盟国選定の基本要件(リアリストの視点が不可欠)
@パワーポリテックス(強い国)
Aパワーポリテックスを支える軍事力
B強大な軍事力を支える経済力(金持ちの国)
C世界の世論(情報)世界に通じる価値観の国(民主主義と自由貿易体制の国)

(5)大陸国家と海洋国家の社会システム・価値観の比較

  海洋国家    大陸国家
 代表的国家   米英NATO  ソ連・中国(仏・独)
 政治体制 開放的で民主主義  閉鎖的で専制主義
 国防体制
(軍事戦略)
海軍重視(専門化・志願兵)
リデルハートの戦略
陸軍重視(大量動員・徴兵)
クラウゼビlッツの戦略)
  世界観   共存共栄   華夷体制
国際関係観  平等な国際関孫   裁属的国際関係
貿易・資源観   自由競争   国家管理・計画経済

★EC(ユーロ)の問題:通貨危機の原因←国際統制経済と自由(競争)市場の問題

(6)東アジア共同体と大東亜共栄圏
中華体制下の東アジア共同体⇒大東亜共栄圏の中国版
(7)国際連合・多国間条約(ロカルノ条約・太平洋に関する4カ国条約)で平和は不可能
・国連の誤訳:United Nation)国連外交の壮大な失敗
現在も日本は敵性国家:旧敵国条項(国連憲章第53条と第102条)過剰な上納金

U.小さな国が大きな国に勝った物語としての「坂の上の雲」の視点
小さな日本が、なぜ大国ロシアに勝てたのか
1.日露戦争時の日露両国の国力・軍事力の比較
(1)人口:1億4000万対4400万
(2)経済力:20対1 予算規模:12対1 鉄鋼生産:100対12
(3)軍事力:陸軍力:ロシア100万(総兵力600万)
日本32万(予備兵力100万)
     海軍力(極東:日本23.3万d対ロシア35,1万d

2.高貴なる者の義務(ノブレス・オブリージュ・Noblesse Oblige)
(1)皇族の義務:明治6年:「皇族は今後軍人なるべしの詔勅」
(2)義に生きた:明治の国家指導者(サムライ・武士)→愛国心
@伊藤博文:「山陰の海岸で―兵卒として戦う」(滅私奉公)
A大山巌→陸軍大臣→陸軍参謀総長→満州派遣軍司令官
B児玉源太郎(陸軍、文部、内務大臣→参謀本部次長→満州派遣軍参謀長

(3)義に生きた:明治の国民(サムライ・武士)→愛国心


@岩崎弥太郎 遺訓「国家に尽くせ」日本郵船、三菱重工(防衛産業1位)、三菱商事、一橋大学、東京商船大学、早稲田大学などの創設に寄与
A渋沢栄吉「私利を追わず、公に尽くせ」、早稲田大学、一橋大学、日本赤十字社、東京慈恵大学、慈恵会看護婦養成所(ナイチンゲール看護学校など)を創設(日赤看護婦の養成)
B福沢諭吉:慶應義塾大学の創設、『学問のすすめ』などで独立自尊の精神、国民の啓蒙
C商人の「越後屋」→三越―奉仕するデパート(入口ライオンーネルソン提督の守護神)と屋上の塔(戦艦三笠のマスト)・三越文化劇場:三越子供劇場など)→西欧文明の発信

3.高貴なる者の義務女性編(男は国を動かす、女はその男を動かす)
(1)外国の例 英国・スエーデン・タイ王室 男子は軍務、女子は赤十字勤務

エリザベス女王   チャールス皇太子    ウイリアム皇子   エドワード皇子

(2)明治天皇の妻:一条美子(昭憲皇太后)ノーブル・オブリージの励行

@慈善事業・赤十字活動の推進
 皇后陛下は現在の日赤総裁→「日赤社史」の問題
A女子教育の推進と皇室の近代化
B日本の近代化(殖産事業)の推進
(3)大山捨松(満州派遣軍司令官大山巌(元内務大臣、陸軍参謀長)の妻
会津藩家老の娘・遣米5少女の1人(米国で看護士資格取得)
鹿鳴館の華、有志共立病院(慈恵医科大学付属)看護婦教育所(ナイチン
ゲール看護学校)、津田塾大学の創設に募金協力

(4)新島八重(新島譲・同志社大学創設)(会津藩・鉄砲指南の娘)
・ 広島陸軍病院の有志看護婦に応募し半年間勤務
(5)日赤看護婦の活動が人道主義国・文明国日本を世界に発信
「日本の乙女」ハーフィーズ・イブラヒーム(エジプト)
 砲火飛び散る戦いの最中にて、傷つきし兵士たちを看護せんと、うら若き日本の乙女、立ち働けり。牝鹿にも似て美しき汝、危なきかな。戦いの庭に死の影満てるを、われは日本の乙女、銃を持って戦う能わずも、身を挺して傷病兵に尽くすはわが務め、ミカドは祖国の勝利のために、死さえ教えて賜りき。わが民こぞりて力をあわせ、世界の優国たらんと力を尽くすなり。

V.明治維新で逆賊とされた貧乏な小さな田舎町の若者が夢を叶えた視点
1.松山藩:鳥羽伏見の戦いで幕府に付き敗北→賠償金15万両
2.秋山など3名(秋山兄弟・正岡子規)から学ぶ、個人として人間としての視点
→現在の日本にない日本、埋まれた日本の再発見
3.家族愛・兄弟愛・友情(友人愛)
(1)真の愛情:父母・父の威信と公私の別 真之の母の短刀と炒り豆
@兄の好古:日本騎兵創設の父←競馬は陸軍から(馬が小さい)(兵も1m48cm)
 世界最強のコサック騎兵に勝利←馬を下りて機関銃で応戦
 敗戦のフィンランド(当時はロシアの属国)のマンネルハイム大佐(大統領に)
 日露戦争後:伊予中学の校長→少年の教育
A弟の真之:日本海海戦の勝利の計画者:世界の海戦史上最大の勝利の作戦幕僚
 ロシアの損害:総数38隻、沈没21(戦7)隻、降伏6(戦2)隻、ウラジオ到着3隻
(2)友人愛―真之と正岡子規
(3)世襲は国を滅ぼす(活力の低下―秋田・新潟・岩手・会津の政治家や軍人の功績)
(政治家―自民党)(松下政経塾出身者34名、民主党28名、自民党6名)神主、僧侶
福沢諭吉(明治12年)「華族を武辺に導くの説」華族・伯爵・男爵の子弟の成績
(明治14年14名入学の慶應義塾大学の成績:4等2名、5等1名)

4.敗戦・東京裁判・占領軍に消された「誇るべき日本の戦争」の再認識
(1)日露戦争当時の人種差別の状況
@黒人奴隷から中国人クーリー(苦人)の時代→マリア・ルーズ事件(明治5年)
Aカリブ海のインデオは殲滅→黒人奴隷が移住
B豪州のアポロジは動物→狩の対象(1935年頃まで)タスマニア島は絶滅
(2)日露戦争の世界史的意義(第0次世界大戦)
・黄色人種・非キリスト教国家が白色人種・キリスト教国家に勝った戦争
@アジア諸国の民族国家の独立、人種平等への烽火となった戦争
・中国:孫文の辛亥革命による中華民国の建国(中国・台湾の建国の父)
・ インド:ジャワハルラル・ネルー首相「日本の勝利は、
 アジアにとって偉大な救いであった」。
・ インド:自尊心と自信、日本に学べ(国産品愛護、自治要望、国民教育)独立運動
・ ビルマ:バーモウ首相「歴史的にみれば、日本の勝利は、アジアの目覚めの発端、またはその発端の出発点とも呼べるものであった」。
・ ベトナム:ファン・ボイ・チャウ(ベトナム民族独立運動の英雄・1905年に来日)
 「日露戦争は私の脳裏に新しい世界を開いた」→「東遊運動」→青年200名の留学
・ ベトナム:ファン・チャウ・チン→トンキン義塾の創設←福沢諭吉の感化
Aアラブ諸国の民族国家の独立、人種平等への烽火となった戦争
パン・イスラム主義→ツラン主義←興亜主義(大アジア主義)
・ トルコ→トルコ青年党→ケルマ・アタチュルクのトルコ革命
・ エジプト→エジプトの近代化と独立運動
ハーフィーズ・イブラーヒム「日本の乙女(Ghada al-Yaban)」
ムスターファ・カミイール『昇る太陽』(日本を賞賛、日本に学べ)
・ イラン:『ミカド・ナーメ(天皇の書)』明治天皇、明治憲法を賞賛
・ モナコ:明治憲法に影響されたモナコの憲法
・ イスラエル:シオニズム運動・建国の英雄トランペルドール(松山の捕虜)
Bヨーロッパ諸国に与えた日露戦争の影響
・ ロシアに共産主義国家を成立させる衝撃を与えた戦争
・ レーニン「旅順の陥落はツアーの終わり、革命のはじまり」
・ 旅順陥落直後に首都サンクトペテルブルグで「血の日曜日」事件
・ ポーランドの独立;ピウスッキ(ポーランド最初の大統領への援助)(来日)
・ 独立後に日露戦争の日本側指揮官に軍功章を授与
・ フィンランドの独立:マイネンハイム大統領の奉天会戦の敗北
C米国に与えた影響
・黒人の人権要求運動とアフリカ民族の独立運動への波及
・米国に人種差別とモンロー大海軍主義を生んだ戦争
Dその他の影響
・白色人種の連携(米英+ロシア)と(ドイツ)→黄禍の恐怖(日中印連合)
・日本海海戦の勝利(ヒトラー感激)→日独防共協定→日独伊三国同盟→大東亜戦争
・米ソの協調→レオン・トロッキーの米ソ(白色人種)協力の「クルミ殻割器論」

(3)第一次世界大戦→人種平等
 日本の地位:5大国(国際連盟の常任理事国)3大海軍国
@パリ講和会議→人種平等法案→有色人種を覚醒→白色人種国家からの敵視→孤立
 ・アジア主義⇒大東亜共栄圏⇒大東亜戦争←西欧の反撃(黄禍論と恐日論)
(4)大東亜戦争(第2次世界大戦)民族国家の独立と人種の平等
・日本の功績→人種の平等と民族国家独立の覚醒
・日本の与えた衝撃→アジア民族は日本軍の緒戦の圧倒的勝利を実見
 オバマ大統領と黒人・人種平等の元祖:デ・ボイス、第二次大戦参加の黒人兵の不満
◎参考文献(演者の著書)『日露戦争が変えた世界史』(芙蓉書房出版、2000円)
@インドネシアの教科書:「日本のロシアに対する勝利は、アジア民族に政治的自覚をもたらすとともに、アジア諸民族を西洋帝国主義に抵抗すべく立ち上がらせ、各地で独立を取り戻すための民族運動が起こった。太陽の国が、いまだ闇の中にいたアジアに明るい光を与えたのである。日本は八絋為宇(Hatsuko-Ichu)の旗印の下、世界支配に向けいっそう精を出した。神道に従って他の民族を指導する神聖な任務を帯びていると考えており、自らをアジア民族の兄貴分とみなし、弟たち、すなわち他のアジア諸民族を指導する義務があると主張した」。
◎参考文献(演者の著書)『日露戦争を世界はどう報じたか』(芙蓉書房出版、1800円)

A日本軍の緒戦の圧倒的勝利を見てしまった(歴史学者アーノルド・トインビー)
「日本人が歴史に残した功績の意義は、西洋人以外の人種の面前において、アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、過去200年の間にいわれたような不敗の神ではないことを明らかにしたことである」(『オブザーバー』紙(1956年10月29日)
(5)冷戦(共産主義を消滅させた戦争)と日本の寄与→自衛隊の存在の価値

第2部 「国体の本義」から『坂の上の雲』を見る視点
1.平成の危機―近衛文麿首相と管直人との比較
(1)近衛文麿→日本を国家社会主義国家(ヒトラー・スターリン)に変えた人物
・マルクス主義者 河上肇教授に師事、『社会主義下の人間の魂』(発禁)
・アジア主義者 「英米本位の平和主義を廃す」(『改造』)
・昭和研究会、朝飯会、朝日新聞社、昭和塾、霞山会、西園寺公一(戦後、共産党に)
・大政翼賛会結成→「民主集中・議員は協賛マシン≒民主党(議会制民主主義の崩壊)
・近衛内閣:朝日新聞主筆の風見章内閣書記官長、尾崎秀實と西園寺公一を内閣嘱託に
○風見卓書記官長(官房長):戦後に左派社会党に入党、憲法擁護国民連合、日中ソ国交回復国民会議理事長、アジア・アフリカ連帯委員会代表、日ソ協会副会長

(1)管 直人(松下圭一「市民自治論」の崇拝者)
@学生運動から市川房枝(社会民主連合)の選挙スタッフ・市民運動から政界に
A科学的社会主義者・ポピュリスト的柔軟性
B松下理論の信奉者の内閣→国家統治の解消、地方自治(地方分権)の推進→国家解体(天皇制・国歌・靖国神社反対)
(3)近衛内閣との類似性
 @管 直人首相の政治スタンスとポ゚ピュリスト的対応
 A官房長を仙石由人に
 B管の政治組織:市民運動家のNPOネットワーク
管内閣のブレイン:松下圭一(法政大学名誉教授)
菅直人(昭和の近衛首相)「松下理論を現実の政治の場で実践する」
仙石由人(昭和の風見卓官房長):松下圭一の本を「まくら元に置いて、年中読んでいた」
(4)拉致実行犯・辛光(シン・ガンス)の釈放要請に署名した民主党の5人衆@管直人 A仙石由人 B千葉景子法務大臣(神奈川2区)
C田英夫 D江田五月

2.松下理論(国家主権と国柄の解体論)の概要
参考文献:松下圭一『政治・行政の考え方』(岩波書店、1998年)
    管 直人『大臣』(岩波書店、1998年)
(1)国家統治と対決する「市民自治」理論→国家の解体理論
中央集権国家=官僚主権=悪、地域主権国家=国民主権(政治主導)=善
@「市民自治とは、自治体レベル、国レベルをふくめた政治の構成原理を意味している。……この市民自治は国家統治と対決する政治の構成原理なのである」
A「官僚組織が日本の近代化の機関車だった時代が終わって、都市型社会が日本なりに成立しはじめる1960年代以降、市民活動の登場、自治体の自立がはじまるため、この官僚主導の国家主権・国家統治という考え方はくずされる」
B「市民活動が登場し、国民主権が市民主権というかたちで現実性をもってくる都市型社会では……国家主権型の『国家統治』という考え方は崩壊となったのです」(『国会内閣制の基礎理論』)
(2)平成革命論:マルクス主義史観「発展段階史観」→「日本版市民革命」
@「国家とは、農村型社会から都市型社会への大転換、つまり近代化の推力としての過渡媒体にとどまる。都市型社会の成立がひろがれば、政府は自治体、国、国際機構に三分化するとともに、政治は、この各政府レベルにおける、《政策・制度》の模索・選択についての、市民の『組織・制御技術』となる」(『政策型思考と政治』)
A市民運動は「明治100年の政治構造・思想構造の全体を問うている」「共和意識をもった市民的人間型」とは「労働者階級」である。「労働者階級その他の内部から、市民的人間型の大量醸成の条件が形成されてきた」。
B「今日の市民運動は、日本史上はじめて、〈市民自治〉による〈市民共和〉という発想を成立させてきた」『市民自治の憲法理論』。
(3)国家解体の「分節主権(地域主権)」(註:革新論者は好んで難解な造語を作る)
@「本当の国民主権」の方は「手段」であり、「目標」は「国のかたちを中央集権国家から『地域主権』に変えることだ」。
A「これからの国の役割は、外交と防衛など、まさに国全体のことに限定し、内政上の大半の仕事は地方自治体に任せるべきだ。…『分権革命』により『地域主権』が実現することで、全国的に活力を取り戻すことができるはずだ」。
B分権革命の最大の障害が官僚主導政治である。それが国民主権の政治主導の政権となってはじめて、分権革命も実現可能となる」と(『大臣』増補版)。
◆ 外交「内閣による独占は実質的に崩壊している」←国家の外交から市民外交へ
◆ 防衛「自衛権は個人に属し、国に属するのではない」と捉え、軍隊も「国レベルだけでなく、自治体レベルでも設置できることになる」自治体に軍隊(革命軍か)
◎市民が手を繋いで話し合えば平和が実現する←ベルリンの壁崩壊への幻想

3.混乱したイズムへの対抗策→「国体の本義」の再評価
「国体=国柄」は目標、「武士道」は手段・方法である。
(1)私の国民性の形成の原点と国民性の見方
@風土(環境は人を作る) 砂漠と温帯型、大陸と海洋型(山岳型や平原型)、農耕型と狩猟型、南方型と北方型など
A宗教(歴史を経た価値観の集成)
B歴史的検証(未来へのベクトル)

(2)日本民族の原点は農耕民族と長い平和な歴史
 @日本の神は垂直神(天つ神)と水平神(国つ神)の融合
 A農耕民族の神は優しい産なす神、母なる神、山川草木みんな、これ神(仏)「すべての産物は自然の授かり物」との「田の神」「地の神」を信仰
 B平和な島国:征服神と土着神の融合:天照大神(天つ神)と出雲の神々(国つ神)
 C恵まれた瑞穂の国:垂直神の女性神が国を生み、地の神は国を引き寄せた国土(神国)
D豊かな風土→甘い情勢判断(楽天的希望的観測)
◎「古事記」「日本書紀」などの民族的な伝承を非科学的と全く排除して良いのか

(3)日本民族の特徴(言葉からの視点)
@大和の国は「言霊」の国、大和の国は「言挙げせぬ国」
言霊:言葉には霊があり発した言葉を実現する力がある
A言葉不要の杜会(ムラ杜会…稲作民族の体質)
移動の少ないムラに言葉は不要→世界一短い文学(俳句)
B「言葉狩り」.......いやな言葉を禁止、あるいは言い換え
・言霊思想の1例「世界が平和でありますように」笹川財団標語
C言葉を出して言い争うこと。「言挙げ」を嫌う日本外交→「前向きに善処する」:連続謝罪外交→南京事件や従軍慰安婦問題

(4)日本民族の特徴(女性崇拝の国)
@女性神(総祖神)......伊勢神宮(天照大神一女性神)→女性的優しい国家
・女性的価値観「目惚れ」「虫が好かぬ」好嫌感情による評価・非打算的
・ 他人の評価の影響←.外圧順応対処外交
A女性的ヒステリー→集団エクスタシー現象「バスに乗り遅れるな」で日独伊三国同盟、
B日本人の評価基準は自由・人権・正義などの「理」ではなく「情」
(5)日本民族の特徴(風土・春夏秋冬の季節感や身近な水と空気….風の影響
・空気(風)と水の国民性に与えた影響:「その場の雰囲気の支配」と水に流す無反省
@気分で評価「気が合わない」「気になる」「気に障る」「気の置けない一理性より感情」
A移動困難なムラ社会の智恵→水に流す(淡泊)「禊ぎ」敗者復活
娯楽に見る国民性:中国は麻雀、西洋はトランプ(コントラクト・ブリッジ)日本は将棋
B神道思想(霊魂不滅思想)、仏教思想(転生輸回思想)→特攻隊
C稲作民族の特性.....水利から移動困難なムラ杜会→「和」の重視→強烈な団緒→家族主義
D「村八分」→満場一致の意志決定システム→「根回し」→世話役→長老飾り者(天皇)
E稲作による多様な神の存在(多神教)→多様な価値観の容認>国論分裂》多頭外交

4.「国体の本義」を読み解く
1937年:文部省教学局『国体の本義』を配布→日本の「国柄は如何にあるべきか」
(1)発刊の背景:日本の伝統的家族的共同体に西欧の個人主義から派生した民主主義・社会主義・無政府主義・共産主義、「最近に至ってはファシズム等の輸入を見、遂に今日我等の当面する如き思想上・社会上の混乱を惹起し」たため、これらの思想に対抗するため、日本の歴史と伝統、風土などに根差した国柄(国体)を求めた文書。
(2)「国体の本義」を読み解く
@「天つ神」は天上で生まれ、地に降りた神で、その子孫が天皇、天皇は「ムラ」の長老のような象徴的存在、天皇は天照大神を祭る「司祭者」として現人神とされた。
A天皇は諸外国の皇帝(国王)とは大きく異なっている。諸外国の皇帝は征服者であり、 その地位は力によって得たもので力がその地位を保証するもの。日本民族は「先住土着民族(国津神・代表は大国主命)」と「支配民族(征服渡来民族―天皇家)」が豊かな「葦原の国」に国造りし、農耕・稲作民族の受容性の豊かな女性神の「産土(うぶなす)」神の天照大神が支配民族の祖神となった。
B祖神の天照大神と住民が一系のルーツを有し、それを「国体の本義」は「肇国以来一体となって栄えてきた」。「天地創造以来の神々が皇統に連なり、それがさらに国民に連なっている」との歴史の一貫性、さらに国土も神が生んだとの建国神話―「神の国」であると日本の「国柄」を説明している。
C「国体の本義」が説く日本人は「西洋諸国に於ける所謂人民と全くその本性を異にしている」。西欧は「君主と対立する人民とか、人民先づあって、その人民の発展のため幸福のために、君主を定めるというが如き関係ではない」
D「地の神」は多様性に富む「母なる大地」的な受容性の豊かな優しい女性神「産土(うぶなす)」神、「祝詞」で「八百万神等諸共に聞食と申す」と奏上すれば総ての願いが聞いてもらえる。「地の神」「天つ神」が聞いてくれる優しい神。この考え方が国家・国民・元首から山川草木すべてを家族関係にまで高め、そこに縦関係の家族制度が生まれ、祖先崇拝の垂直神の「天つ神」の代表の天照大神へと連なっていった。
(お守り:神をコントロールする日本人の偉大さの具現では)
E「国体の本義」は「一家一郷一国家」:「君民一体となり、親子相和して美しき情緒が家庭生活・国民生活に流れている所以である」「西洋諸国の国民性・国家生活を形造る基本思想たる個人主義・自由主義等と、我が国のそれはとの相違は正にこゝに存する」。稲作をめぐる多数の神々から八百万の神が生まれ、この「国つ神」「地の神」の水平的思考が「みな同胞(ミナハラカラ)」主義、「人類はみな兄弟」の「八絋為宇」の世界観となった。

おわりに:大和に帰れ(憲法改正、平城と大仏(国内インフラなどの整備)、防人)
最大の危機は国家の溶解
1.日本の国柄の確立→神話が建国記念日の神の国
2.天皇は国家の天守閣 
 日本城→落城寸前(自虐外交官の支配下)
3.靖国神社は国家の「お守り」;自衛隊は国家の骨髄
4.日本防衛の本丸は靖国神社、石垣は国民→(中国・
 韓国、進歩的リベラルが破壊中)

○ 家族崩壊・国家溶解中←ジャナリズムや日教組(世界一自虐的な日本の教科書)
○ 国家解体者の民主党「永住外国人への地方参政権付与」「選択的夫婦別姓制度」「地方分権法案」「人権侵害救済機関設置法案」などなど多数、ぞろぞろ。

私の信念:老いてなお 命の限り 凛として われ書き語らん 日の本のため